一般的にがん治療をする場合、標準治療を選択する方がほとんどだと思います。標準治療というのは、いわゆるがんの三大療法のことで、『外科的療法』『化学療法』『放射線療法』の３つです。これらが標準治療と言われる所以は、国が医学的根拠（エビデンス）に基づいて認めている治療法であり、健康保険が適用されるということにあります。
この標準治療は多くの実績がある優れた治療法だといえるでしょう。しかしながら、この三大療法だけでは、すべてのがん患者を救うことができていないという現実もあります。特に日本では、がん患者の死亡率は増え続けていることもあり、より先端の治療を求めている声も少なくありません。
そうした先端治療の中で、特に近年注目を浴びているのが『遺伝子治療』です。この遺伝子治療は、がん患者の体内に正常な遺伝子を導入することで正常な機能を取り戻そうとする治療です。その導入方法も注射や点滴といった一般的な治療と変わらないことがほとんどです。欧米を中心に多くの承認薬が誕生していることもあり、日本でも治療を受けられる医療機関ができ始めています。
保険適用でないため治療が高額になってしまうことは否めませんが、がん治療の選択肢のひとつとして、留意しておいてもよいのではないでしょうか。